30代職歴無しからビルメンになった話

21で大学中退 その後バイトを転々と半ニート生活で気が付けば30代

仮免試験を受ける

仮免試験当日まで必死にイメトレをしてたよ

検定は午後からだった

朝、目が覚めてからずっとソワソワ、緊張しっぱなしだったよ

落ちたらこの世の終わりくらいな感覚

しかし、ここまで来て放棄は出来ないから仕方なく教習所へ向かう

集合場所に着き、試験の説明を受ける

周りを見ると20人弱の人数が集まってきた

その中でMTは俺を含めて4人ほど

やっぱり今時MTコースを選ぶのは少ないんだな

そして検定で走るコースが発表された

ABCどれも同じ内容なんだけど、自分の中で相性がいいAコースが来てくれと祈った

結果は可もなく不可もなくなBコース まあこんなものか

一通り説明が終わると、待合室へ移った

まずMTコースから検定が始まるとのこと

すぐに出番が来ると分かると、一気に緊張が高まったよ

トップバッターだけはやめてくれと思ってたら、2番目の組で少しホッとする

検定は指導員と受験者2人が同乗して交代で運転する

3人で乗る理由は不正防止らしいね

 

そうこうしている内に、あっという間に自分の順番が回ってきた

検定員に呼ばれ車に乗り込む

検定員は、今日試験を受けられるということは、普段通りにやれば大丈夫ってことだから落ち着いていこうと、一声かけてくれた

穏やかそうな人で少し緊張がほぐれたよ

でも担当指導員は、受かるかどうかは半々だって俺に言ってたよと内心ツッコむ

 

さていよいよ検定が始まるんだけど、どうやら俺は2番目らしい

てことで後部座席に乗り込む

前の人の運転を見られるのは有難かった

同乗した受験生は10代の女の子だったよ

他の教習生の運転を見る機会なんてなかったから、少し楽しみだった

まずは発進だけど、早速ガクガク

みんなこんなもんなんだと安心する

途中までは順調だったけど、坂道発進を失敗する

検定員が落ち着いてもう一度と言うが、パニックなのか何度やっても上手く行かない

返事をする女の子は涙声だった

いたたまれない気持ちの一方で、少し落ち着けた自分は嫌な人間である

女の子は坂道はパスして残りのコースをなんとか走り切った

よくあそこからリカバリーできたなと感心する

 

さあついに自分の番が来た

乗車し、発進の準備を整える

ここまでは淀みない 唯一自分の得意なところだ、全く自慢できることではないが

安全確認をし、合図を出し、いざ発進

ひとまずエンストは無し

そこから坂道に向かい、交差点、踏切、S字クランクと順調にこなす

最後に直線で加速して元の停車位置に戻る

手足は痺れ、冷たくなっていた 相当緊張していたようだ

とは言え大きなミスは無かったはず、これはいけたのではと思ったよ

その後、待合室ですべての検定が終わるのを待った

特に何も考えるでも無し、ボーっとしているとすぐに時間が過ぎ、合否が発表された

やっぱり受かっていたよ 

教習所に来てからろくなことが無かったけど、この時はさすがに嬉しかった

まだ次に学科試験があったけど、すべてをやり切った気持ちになってたね

ちなみに同乗した女の子は不合格だったよ

俺みたいに、あとの無いおっさんと違うんだから次頑張ればいいさ

 

で学科試験を受けたんだけど、これについては特に何も言うことが無い

だって効果測定とほぼ同じ内容だったから

また待合室に戻り、結果を聞くと全員合格

これで仮免ゲット

最後に担当指導員のOさんに報告

よかったなとそっけない感じで労われる

まあここで盛大に褒められたら逆に引くわ

第二段階の予定を確認して帰宅

入校してから一番軽やかな足取りだったな

ここまで約1ヶ月、きつかったよ

そして1ヶ月ってことは、初出勤の日が迫ってるんだよね

フルタイムで慣れない仕事と並行して教習所に通うことを考えると、さっきまでのいい気分が全て吹き飛んでしまった