30代職歴無しからビルメンになった話

21で大学中退 その後バイトを転々と半ニート生活で気が付けば30代

初めての路上教習

技能教習 第二段階 1時間目

 

仮免を取得した翌日に早速、路上教習を受けられることになった

しかし本当に今の状態で路上に出ていいものなのか、全く自信が持てなかったよ

技能教習は夜からの予定だったから、それまで学科を受けられるだけ受ける

学科は技能と違ったただ目を開けて、黙って話を聞いていればいいだけだから楽だ、むしろいい気晴らしになるくらい

そして、来てほしくないって時ほどあっという間にその時が来てしまう

路上教習の時間だ

とりあえず指導員のOさんのついていく

まずは車の点検について説明するという

ボンネットを開け、冷却水だのエンジン、ブレーキオイルがどうのと説明を受ける

次にライトの点検で順番に点灯していく

最後にタイヤの空気圧がどうのこうの

ここまで右から左である 

一気に捲し立てられたら、とりあえず頷くしかない

一通りの説明が終わり車に乗り込む

いよいよ初めての路上教習のスタートだ

ただ、ここでずっと抱えてた懸念がある

所内では2速までしか使ってなかったから、3速以上のギアチェンジは未経験だった

いつ教えてくれるのだろうと思い続けた結果、ここまで来てしまった

もちろんネットの動画で操作は確認していたけど、見るのと実際にやってみるのとでは大違いだからね

さすがに不安だったから、Oさんに質問したよ

Oさんは少し考えたあと、まあ大丈夫だろうと返してきた

一体何が大丈夫なんだろうか、助手席に乗ってるあんたも他人事じゃないだろって内心思いながら、とにかく発進して所外に出る

当たり前だけど道路はひっきりなしに車が走っている

どのタイミングでそこに入っていけばいいのかさっぱり分からない

何度か行けそうなタイミングが合った気がするけど、びびって行けない

Oさんが「なんで行かないの?何度も入れる隙間あったでしょ」と急かしてくる

その指示に従い、ついに路上に出て走り出した

ギアをローからセカンドへ、そして徐々に加速して問題のサードに

イメトレ通りにギアがすんなり入ってホッとする

ただ手元を気にしすぎと注意される

わかってはいるけど、その癖はなかなか改善されない

そして信号で停車する

前の車との適正な車間距離が分からないから、随分遠くで止まってしまう

前車の後輪が見えるくらいを目安にするといいと助言を受ける

更に左折、まず第一段階で口を酸っぱくして言われた巻き込み確認

ただギアがトップやサードにある場合は、シフトダウンして速度を落とさなきゃいけない

これが難しくてもたつき、曲がるときに膨らむまたは脱輪しそうになる

今度は路上駐車だ

車を操作することに手一杯で気が付くのに遅れ、ギリギリで避けることになってしまった

進路変更も難しい、サイドミラーを見ても後続車との距離感が掴めない

合図を出して進路を変えるのだけど、無意識にアクセルを緩めてしまい、事故りかける

こうやって、挙げたらきりがないくらい分からないことだらけで、Oさんの指摘も全く頭に入ってこない

なんとか教習所に戻ってきたけど、情報過多で頭がパンクしそうだったよ

あとから考えると、左折を繰り返して教習所の周辺を回ってきただけなのだが、その時は、どこをどうやって戻ってきたのかも思い出せないくらいパニックだった

本気で落ち込んでる俺を見て、さすがにOさんは厳しいことは言ってこなかった

この先、路上を当たり前に走れる日が来るのか、全くイメージが出来なかったよ