30代職歴無しからビルメンになった話

21で大学中退 その後バイトを転々と半ニート生活で気が付けば30代

初めて車を運転する その1

俺が通ってた自動車教習所は、一人の教習生に対して一人の指導員が担当する方式を取っていた

ただ空いている車があれば、他の指導員にも対応して貰えるってことだったから、どんどん申し込んでさっさと卒業しようと考えていたよ

技能講習は所内でやる第一段階と、路上に出る第二段階に分かれていて、MTは最短でもそれぞれ15時間+19時間の計34時間こなさなければならない

仮免試験、卒業検定に受からないようなら補習になり、その分余計に金がかかる

なんとかストレートに卒業できるように頑張りたい

そして、いよいよ初回の教習に向かったよ

俺の担当はおそらく60近いベテランな感じの指導員Oさんだった

これからよろしくお願いしますと挨拶をすると「おぅ、よろしく」みたいにぶっきらぼうに返してきた

これは苦手なタイプっぽいと思いつつ一緒に車に乗り込んだ

まずは指導員の運転で所内の端っこの方に車を止め、席を交代した

運転席に座るとシートとルームミラーの調整をしてシートベルトを締める

その間にOさんにいくつか質問された

 

Oさん「免許をとるのは初めてなの?」

俺「はい」

Oさん「ふーん、でMTを選んだのは車が好きなの?」

俺「いえ、特にそういうわけでは・・・」

Oさん「じゃあ仕事で必要なの?」

俺「いえ、そういうわけでもないです」

Oさん「MTはかなり大変だよ 覚悟しておいた方が良い」

 

すでにテンションダダ下がりで、委縮しまくった状況でいよいよスタート

クラッチとブレーキを踏み、ギアをローに合わせ、サイドブレーキを降ろす

そしてアクセルを踏むんだけど、MT車はそれだけでは動かない

クラッチを徐々に戻して半クラッチの位置まで戻すと発進する

と説明されたんだけどこれがさっぱり頭に入ってこない

サイドブレーキを上げたままアクセルを踏んだり、アクセルの加減が分からなくて思い切り吹かしたり、あたふた

何より半クラッチって言うのが難しい

エンストの連続、発進出来てもガタガタ

そして指導員Oさんはため息連発で、俺はさらに委縮するという負のスパイラル

安易にMTコースを選んだことを後悔したよ

何よりOさんが完全に苦手なタイプと確定して、免許を取るっていうモチベーションが一気になくなりそうだ

最初の教習が終わるころには汗だくですっかり疲弊していた

でもこの日は、もう1時間教習を予約してたんだよね

 

つづく

 

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